交響詩はもっとも楽しいクラシックのカテゴリである。イメージが膨らむ、楽器や演奏家の個性が強く発揮される、そういった総合的な芸術性が好きである。もっともバレエ音楽ならさらに良いのでは?と思われるかも知れないが、バレエがやはり視覚的要素が支配的で、交響詩はより自由な発想が求められる。
リヒャルト・シュトラウス作曲、交響詩<ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯>、歌劇<サロメ>から「サロメの七つのヴェールの踊り」交響詩<ドン・ファン>このあたりは、交響詩を楽しむには最高のカップリングである。
所有のLP(MG2432)は、この三つの楽曲がカップリングされている1972年12月及び1973年1月、ベルリン、イエス・キリスト教会録音のカラヤン/ベルリンフィルであるが、残念ながら今はこのアルバム、構成ではCD化されていない。
<ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯>にフォーカスして、CD化された「KARAJAN 2008 カラヤン マスターワークス::R.シュトラウス:英雄の生涯 ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」を選んだ。クレジットでは、同一の録音だと思われる。
<ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯>は、静かで美しい旋律から、ホルン奏者にとって最高難易度とも言えるテーマがソロで演奏される。ティル・オイレンシュピーゲルは、14世紀のドイツの実在の人物とも架空の人物とも言われるならず者であり、破天荒な人生を表現している。最後は、処刑されるストーリなのだが、シーンを想像させる豊かな旋律、全体の構成力、シュトラウス最高の交響詩といって良い。