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update: 2009.01.05
マンハッタン・ジャズ・クインテット~25年の歩み
マンハッタン・ジャズ・クインテット(Manhattan Jazz Quintet)、通称MJQ。
ジャズ史上では、MJQといえば、モダン・ジャズ・カルテット (Modern Jazz Quartet) であるが、現役、それも来年で発足25周年となれば、立派にオリジナルグループとして認知されている。

MAVEMUSIC編集部として、可能な限りのMJQの情報を集め、完璧なディスコグラフィーを目指したいと思います。皆様応援してください。情報の提供、個人のサイトへのリンクなど何なりとご連絡下さい。
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1980年代のマンハッタン・ジャズ・クインテット(Manhattan Jazz Quintet)
MJQ500.jpg
2007年 Someday My Prince Will Come(いつか王子様が)

LEW SOLOFF(Trumpet)
ANDY SNITZER(Tenor SAX)
DAVID MATTHEWS(Piano)
CHARNETT MOFFET(Base)
VICTOR LEWIS(Drums)
ここには”ジャズ”がある。とにかく聴いてみてくれ!ーマイケル・カスクーナー
タイトル文は、ジャケ裏のライナーノーツ(英文)の対訳である。記念すべきMJQの初アルバムは、LPでスタートした。あらためてLPを手に取ると、このアルバムの表裏には一言の日本語も存在しない。まるで輸入盤のように。

1984年7月11日、ニューヨーク、48丁目のA&Pスタジオ。
アレンジャーでありピアニストであるデビッド・マシューズは、ストレートアヘッドなビバップ、ハードバップ・アルバムの制作を始める。MJQユニットの発案は、元スイング・ジャーナル誌編集長の中山康樹氏で、マーケットも日本を想定して当時人気の高いスタジオ・ミュージシャンを集めて企画された。ユニットの性格は、50年~60年のジャズの黄金期を彷彿させる狙いだったそうだが、ハードバップ、モダンジャズを継承する手法として、アレンジャーをリーダとする曲の解釈、構成力、演奏力でジャズを撮り直すという考え方が、どれだけ素晴らしいアイディアであるかは、そのユニットが25年、つまり四半世紀続くのであるから歴史が証明している。
  試聴できます
LEW SOLOFF(Trumpet)
GEORGE YOUNG(Tenor SAX)
DAVID MATTHEWS(Piano)
CHARNETT MOFFET(Base)
STEVE GADD(Drums)
このアルバムは、アナログオーディオの凄みを持っている。世はまさにCD時代が到来しようとする時にありながら、本アルバムはLPの最高の音質を狙って録音されたかのようだ。CD元年は1982年だが、このアルバムは1984年にリリースされている。

録音の素晴らしさは当時のオーディオ誌が挙って、このアルバムを褒め称えたことからも理解できるが、CDの音質が飛躍的に向上した現在でも、このLPを聴くと目の前がパァっと開けたような音の一粒一粒が空間に浮かび上がるような、立体的かつ鮮明なサウンドが弾け飛んでくる。

冒頭のSUMMERTIME、このバンドの正体を現すかのように、LEW SOLOFFの強烈なブレイクにドキッとする。モダン・ジャズ、ハードバップを継承するなら、俺のサウンドじゃだめか?とでも自問自答するように、LEW SOLOFFのトランペットは咆えまくる。フロント2管はテナーサックスのGEORGE YOUNG。サックスという楽器の限界に挑むような表現力、テクニックを持つ。LEW SOLOFFとの絡みも最高で、トランペット、サックスの2管フロントは、バップの王道といえる。
この冒頭一曲からMJQの伝説は始まる。

二曲目のROSARIO、これはマシューズのオリジナルで1969年作曲と彼にとっては過去の作品。アルバム企画の主旨を示すように、このバンドが単なる演奏家ではないことを示すかのように現代ジャズを標榜するが、その担い手がSTEVE GADDのドラムソロである。アレンジは、フュージョンで鍛えられたテクニックを十分に生かすようにジャズの文法に照らしているが、当時のSTEVE GADDのリフの切れは、まるでスティックが空気を裂いているような凄みが感じられる。

三曲目、MILESTONES。ここまで聴くと、このバンドがジャズをどのように蘇らせようとしているかはっきりとしたコンセプト、コンセプトに基づく楽曲の解釈と演奏が理解できる。それは、まるでクラシックと現代音楽といったコントラストが感じられ、ジャズというエネルギーが新たな可能性を持って進化したようにも思われる。
このアルバムが発売後そうそうに10万枚売れたのは、日本人が如何にジャズを研究し、新しい方向性を期待していたかが解るというものである。私見ではあるが、日本人がジャズを進化させるマーケットであることは異論がないところであろう。

それにしても惜しいのは、このアルバムがSACDで再発されていないことである。
これまでの30枚近いMJQのアルバムから選りすぐりで、オーディオ音源の最高峰を狙うプロジェクトができないのが不思議である。
価格:1,800 円
発売:2004.09.23
1985年 枯葉 - Autumn Leaves
前作、『マンハッタン・ジャズ・クインテット』デビューアルバムは、スイングジャーナル誌の1984年度ディスク大賞に”金賞”に選ばれるほどの大成功をもたらした。ニューヨークのトップミュージシャンを集めて、50年代、60年代のジャズの名曲を名アレンジャー、デビッド・マシューズによる編曲で現代にハード・バップを蘇らせるというコンセプトは見事に成功したのだが、それが実に25年続くことになろうとは。

タイトルとなった「枯葉」は、本来第1作目に入るはずだったが、マシューズの勘違いで、サマータイムになってしまったと語られているが、楽しみにしていた第2作目のタイトルが「枯葉」と知ったときに、やっぱりねと思ったことを昨日のことのように思い出す。
LEW SOLOFF(Trumpet)
GEORGE YOUNG(Tenor SAX)
DAVID MATTHEWS(Piano)
CHARNETT MOFFET(Base)
STEVE GADD(Drums)
デビッド・マシューズ率いるグループ、マンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)の結成20周年を祝してリリースされる来日記念盤(全10タイトル)。本作は、1985年に録音されたセカンド・アルバムの再発盤。 (C)RS
価格:1,800 円
発売:2004.09.23
1986年 マイ・ファニー・バレンタイン - My Funny Valentine
三作目。ベースが、エディー・ゴメスに変わった。エディー・ゴメスは、ビル・エバンスのベーシストとしてジャズ界トップのベーシストであったが、スティーブ・ガッドとのコンビはすでに十分な時間を費やしており、加わることになる。
ライナー・ノーツにはひとつの変化があり、全二作にはスイングジャーナル誌の元編集長の中山氏の名前が記述されているが、中山氏に代わり、プロデューサの川嶋重行氏がマシューズにMJQの結成を依頼したと書かれている。興味深いことではあるが、全二作の記述に対して気になる表現ではある。

オリジナルのコンセプトから、MJQの新しい方向性も示された。マシューズのオリジナルのブルース曲と、ビリー・ジョエルの「ニューヨークの想い」を取り入れたことだ。ビリーはとても美しいバラードを書くが、私としては、彼の名曲はもっとジャズナンバーとして演奏されても良いと思う。
ところで、A面にはラウンド・ミッドナイト(モンクのラウンド・アバウト・ミッドナイト)が収められているが、それがアルバムタイトルにはならなかった。その後MJQがこの曲ラウンド・ミッドナイトを再度取り上げるのは、1998年、日野皓正との共演での発表となる。
タイトルであるマイ・ファニー・バレンタインとラウンド・ミッドナイト 。どちらも名曲であるが、どのような経緯でアルバムタイトルが決められたのかは興味深いところだ。
LEW SOLOFF(Trumpet)
GEORGE YOUNG(Tenor SAX)
DAVID MATTHEWS(Piano)
EDDIE GOMEZ(Base)
STEVE GADD(Drums)
デビッド・マシューズ率いるグループ、マンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)の結成20周年を祝してリリースされる来日記念盤(全10タイトル)。本作は、1986年に録音されたサード・アルバムの再発盤。 (C)RS
価格:1,800 円
発売:2004.09.23
1986年 ライブ・アット・ピット・イン
この年、ついにMJQが来日し、かの有名なピット・インでライブがおこなわれた。本作はそのライブ録音版であるが、私はこの年大阪にいて見ることが出来ず、地団太踏んだ。
思うに、こうしてMJQを振り返ると、トランペッター、ルー・ソロフの起用がMJQを成功に導いた要因だと確信する。バップにとってトランペットの存在、そのプレイ・スタイルは常に誰かを思い出させるのだが、彼の演奏は、ガレスビーのサウンド、アクセントを持ちながら、ブラウン、モーガンを彷彿とさせるきらめくようなハイノートを持っている。マイルスのような太く、ダークなスローはすこしイントネーションが悪いが、ルー・ソロフの万能的なプレイがマシューズのアレンジを生かしている。
LEW SOLOFF(Trumpet)
GEORGE YOUNG(Tenor SAX)
DAVID MATTHEWS(Piano)
EDDIE GOMEZ(Base)
STEVE GADD(Drums)
デビッド・マシューズ率いるグループ、マンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)の結成20周年を祝してリリースされる来日記念盤(全10タイトル)。本作は、1986年にライブハウス/六本木ピットインにて録音された初のライブ・アルバムの再発盤。 (C)RS
価格:1,800 円
発売:2004.09.23
1986年 ザ・サイドワインダー - The Sidewinder
1986年は、都合3枚リリースされて、本作が5作目となる。タイトル曲は、1962年12月21日に録音された、ビバップ・トランペッターの頂点に達したリー・モーガンの名曲。
サイドワインダーは、ポップチャート入りを果たした大ヒットとなるが、ジャズにロックビートを取り入れたことが斬新なリズム感を与えたことが受けた。

ライナーノーツには、本作品がMJQの最高の出来と評されているが、確かに、ゴメス、ガットの布陣は、はまり役だろう。

例によって細部をみると、プロデュースが、マシューズと川島氏の連名として明記されるようになった。
LEW SOLOFF(Trumpet)
GEORGE YOUNG(Tenor SAX)
DAVID MATTHEWS(Piano)
EDDIE GOMEZ(Base)
STEVE GADD(Drums)
デビッド・マシューズ率いるグループ、マンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)の結成20周年を祝した来日記念盤。本作は、1986年に録音された、映画主題歌「ベッド・タイム・アイズ」他を収録したアルバムの再発盤。
価格:1,800 円
発売:2004.09.23
1987年 マイ・フェイバリット・シングス - My Favorite Things: Live In Tokyo
LEW SOLOFF(Trumpet)
GEORGE YOUNG(Tenor SAX)
DAVID MATTHEWS(Piano)
EDDIE GOMEZ(Base)
STEVE GADD(Drums)
デビッド・マシューズ率いるグループ、マンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)の結成20周年を祝してリリースされる来日記念盤(全10タイトル)。本作は、1987年に行われた中野サンプラザ・ホールでのライブ音源を収録したアルバムの再発盤。 (C)RS
価格:1,800 円
発売:2004.09.23
1988年 プレイズ・ブルーノート - Plays Blue Note
この年、ブルーノートを賞賛する『プレイズ・ブルーノート』が吹き込まれた。結成以来のドラマーであったスティーブ・ガッドが外れ、デーブ・ウイックルとなり、ベースもゴメスから、ジョン・パティトゥッチにスイッチする。
本作でのポイントは、オリジナルメンバーである、マシューズ、ヤング、ソロフがブルーノートで育ったことである。彼らにとってブルーノートは過去の遺産なんかではなく、原体験として、彼らのジャズ感の本質を形取っているものである。

毎度のことになるが、細部を読むと、ライナーノーツの文章中では、プロデューサが川島氏と中山氏の連名になっているが英語版のクレジットには中山氏の名前はない。興味本位でしかないが、結成以来4年後、7作目にして川島氏と中山氏が同一文章中に記載されている。
LEW SOLOFF(Trumpet)
GEORGE YOUNG(Tenor SAX)
DAVID MATTHEWS(Piano)
JOHN PATITUCCI(Base)
DAVE WECKL(Drums)
デビッド・マシューズ率いるグループ、マンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)の結成20周年を祝してリリースされる来日記念盤(全10タイトル)。本作は、1988年に録音されたブルー・ノート作品集の再発盤。 (C)RS
価格:1,800 円
発売:2004.09.23
1988年 キャラバン - Caravan
ベース、ドラムが、それぞれジョン・パティトゥッチ、デーブ・ウイックルに代わってから2作目となる。ここにきて、MJQはその結成の原点に立ち戻りスタンダードを最高のアレンジと演奏を持って奏でることにある。あらためてデビッド・マシューズの力量が示された作品である。

またしても細部に拘るが、ライナーノーツは、由井正一氏が書き下ろしているが、MJQの規格は、個人名の表記から、日本のキングレコードがそのアイディアを出したと記載されている。こうした変遷はとても気になるところだ。
LEW SOLOFF(Trumpet)
GEORGE YOUNG(Tenor SAX)
DAVID MATTHEWS(Piano)
JOHN PATITUCCI(Base)
DAVE WECKL(Drums)
デビッド・マシューズ率いるグループ、マンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)の結成20周年を祝してリリースされる来日記念盤(全10タイトル)。本作は、1988年にスタジオで録音された`キングレコード`におけるオリジナル・アルバム最終作の再発盤。 (C)RS
価格:1,800 円
発売:2004.09.23
1988年 ベスト - The Best of Manhattan Jazz Quintet
マンハッタン・ジャズ・クインテット
デビッド・マシューズ率いるグループ、マンハッタン・ジャズ・クインテット(MJQ)の結成20周年を祝してリリースされる来日記念盤(全10タイトル)。本作は、デビューから4年間にわたる`キングレコード`での記録を収録したベスト・アルバムの再発盤。 (C)RS
価格:1,800 円
発売:2004.09.23
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