三作目。ベースが、エディー・ゴメスに変わった。エディー・ゴメスは、ビル・エバンスのベーシストとしてジャズ界トップのベーシストであったが、スティーブ・ガッドとのコンビはすでに十分な時間を費やしており、加わることになる。
ライナー・ノーツにはひとつの変化があり、全二作にはスイングジャーナル誌の元編集長の中山氏の名前が記述されているが、中山氏に代わり、プロデューサの川嶋重行氏がマシューズにMJQの結成を依頼したと書かれている。興味深いことではあるが、全二作の記述に対して気になる表現ではある。
オリジナルのコンセプトから、MJQの新しい方向性も示された。マシューズのオリジナルのブルース曲と、ビリー・ジョエルの「ニューヨークの想い」を取り入れたことだ。ビリーはとても美しいバラードを書くが、私としては、彼の名曲はもっとジャズナンバーとして演奏されても良いと思う。
ところで、A面にはラウンド・ミッドナイト(モンクのラウンド・アバウト・ミッドナイト)が収められているが、それがアルバムタイトルにはならなかった。その後MJQがこの曲ラウンド・ミッドナイトを再度取り上げるのは、1998年、日野皓正との共演での発表となる。
タイトルであるマイ・ファニー・バレンタインとラウンド・ミッドナイト 。どちらも名曲であるが、どのような経緯でアルバムタイトルが決められたのかは興味深いところだ。