男性ヴォーカルで最高の一人を挙げてみて?、たぶん、ナット・キング・コールはその一人に確実に入るだろう。米国ポピュラー音楽の最大のスターであり、彼の歌声は世界中の人々から愛された。(1919年~1965年)
甘い声と抜群のフィーリングで、ヒットシングル118曲を叩き出した。もとはジャズ・ピアニストとしてスタートしたが、53年頃からソロシンガーとしての活動を始め、不朽の名作『アフター・ミッドナイト』(1956年)を生むことになる。アフター・ミッドナイトは、ポピュラーミュージックに寄りすぎたことから、自分のルーツであるジャズナンバーをジャズの名手を集めての力作で、今日でも色あせることなくご機嫌な気分になれる。
紹介するアルバムは、91年、彼の愛娘「ナタリー・コール」のアルバム『アンフォゲッタブル』から、タイトル曲アンフォゲッタブルを含むコンピレーションアルバムである。「ナタリー・コール」のアルバム『アンフォゲッタブル』は、亡き父と多重録音でデュエットするという企画で大成功し、大ヒットとなった。多重録音の素晴らしさも話題になったが、時空を超えての親子のデュエットは完璧で、まるで二人が微笑み合いながら歌っているような錯覚さえ覚える。
20世紀を代表する偉大なジャズシンガーの足跡を楽しんで欲しい。全25曲、最高の歌声に乾杯。